10月28日(木)ネット上の人権をどう守るか?

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 人権センター公開講座「情報×人権」が28日人権センターで開催されました。
 講師は、九州大谷短期大学で人権論の講義を受け持つ組坂幸喜さんでした。


 まず、インターネット上での悪質な差別書き込みや誹謗・中傷などの現状について、事例を提示しながら説明をされました。

 このようなインターネット上の差別は、ネット空間だけに留まらず、現実のフィジカル空間にまで影響を及ぼしています。

 具体的には、ネット上に拡散された悪質な情報をもとに、差別ハガキが送られるという差別事件が起こったりしているのです。


 インターネット上の問題の他に、テレビ等のメディアにおける問題点の指摘もありました。

 例えば、私たちが普段目にするコマーシャルの中には、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)を促すようなものもあるというお話でした。

 組坂さんが「普段から家族でテレビを観ているときに、このような問題について家族でも話してほしい」と言われました。そのように、身近な人と人権問題について普段から話し合うことが、差別を解消することの第一歩だと思いました。


 また、新型コロナウイルス感染症の流行初期に問題となったインフォデミック(※)の現象を例に出され、メディアリテラシーの重要性についてのお話もありました。

 メディアリテラシーとは、世の中の様々な情報に対して、常に「本当だろうか」という目で情報を見つめることです。情報を利用するときには、情報の信憑性を確認する以外にも、情報の送り手の意図や背景を考えること、時間をかけてその情報を分析することも必要だというお話でした。


 組坂さんのお話を聞いて、多様な情報の中で、自分が差別をするような人にならないためには、差別の現実を学ぶことは大切であり、また、自らの認識と行動を問い続けていかなければならないと思いました。
 


インフォデミック…「information(情報)」と「epidemic(流行)」を組み合わせた造語で、情報が非常に氾濫している状態を表す。具体的には、間違った情報やデマ・嘘を含む情報が多く氾濫することによって、最も大切な情報や正確な情報などにアクセスするのが困難になっている状況を指す。