11月9日(土)令和に込められた「促膝」の思いが

 小郡市郷土史研究会の令和元年度講演会が、9日埋蔵文化財調査センターで行われました。

 講師は、福岡女学院大学の東茂美教授、「令和元号と万葉集との関わり」というテーマでした。


 東教授からは、梅花の宴が催された時代背景についての解説がありました。
 基王(もといおう)の死、長屋王の変、自然災害、そして新羅(しらぎ)との緊張関係・・・こうした中で、大宰府に、大伴旅人や山上憶良という軍事や外交に力を持つ二人が揃い、梅花歌の半数以上が、中国の辺境にあっての望郷の悲しみの詩歌「落花」を踏まえて歌われていることは、大宰府が遠く都から離れた望郷の悲しみが滲んでいることがわかります。


 「令和」の序には、膝を促け(ちかづけ)さかづきを飛ばすという言葉があり、新羅との緊張関係の中での「促膝」の思想にも注目することは、時代背景とつながり、奇しくも現在の日韓関係への懸念さえにもつながることを想像させられる、東教授の講演は「令和」に興味を広げてくれるものでした。