1月29日(土)「鉄鏃千本」から始まったけど…。

 文化財課の山崎頼人さんが史跡小郡官衙遺跡群について、小郡市考古学講座で講演しました。


 小郡官衙遺跡の発見は昭和42年6月、地元の赤坂庄蔵さんが牧場を農地にするための工事中に、多数の鉄の矢じり、「鉄鏃千本(てつぞくせんぼん)」を発見したことから調査が始まり、多数の建物の柱穴が現れました。ここから小郡の歴史の扉が開かれたともいえます。


 山崎さんは、上司から「本当に1000本あるのか、数えてみなさい」といわれ、実際に数えてみたら、形を確認できたのは306本、あとは粉々になったものだったというエピソードを話しました。


 文化財の分野では、歴史ロマンばかりを語らずに史実に基づくことが大事だといつも釘を刺されますが、大げさに伝わった「鉄鏃千本」に笑ってしまいました。
 官衙遺跡の変遷と移動、天武七年筑紫国地震、官道と、奈良時代に思い馳せるひとときでした。

 

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小郡官衙遺跡の最初の調査(昭和43年撮影).jpg

小郡官衙遺跡発見のきっかけとなった鉄鏃.jpg