ニューカレドニアの日本人移民だった祖父である高松茂さんの手がかりを探しに小郡市を訪れたクリス・グラヴィナさんが、5日市長室を訪ねて下さり、曾祖父母のお墓を見つけ出し、お参りをされたことを報告してくれました。
クリスさんの祖父、高松茂さんは、大正3年、ニッケル鉱山で働くために東福童を発ち、ニューカレドニアに移住し、現地で3男4女の子どもに恵まれました。その末娘が、クリスさんのお母様でした。茂さんは、第2次大戦で、家族から引き離され、オーストラリアの収容所に送られ、その後日本に強制送還させられていました。
自分のルーツを求めるクリスさんは、軍の1枚の資料からおじいさんの名前を見つけ、小郡村東福童と記されていたことだけを頼りに来日していました。
市役所を訪れたクリスさんに職員も協力し、茂さんが福童の実家に戻り、曾祖母の実家荒川家が看取り、死亡届を出したことがわかりました。そして、茂さんに会ったことがあるという小郡市の歴史を守る会の桑野副理事長や、東福童の柴田区長も縁故者探しに協力し、ついに、端間駅そばの墓地を突き止めることができました。
その墓地から、クリスさんは、半分土に埋もれた曾祖父母のお墓を探し出しました。残念ながら、祖父茂さんのお墓は見つけ出すことができませんでしたが、自分のルーツと対面した瞬間でした。
「また小郡に来たい」といってくれたクリスさん、ルーツの地・小郡の人たちのやさしい気持ちを持って帰ってくれたと思います。