正しく恐れることが欠かせない

 平成30年度福岡県市町村長防災危機管理ラボが、25日福岡市内で開催されました。
 これは、福岡県と消防防災科学センターによる、災害発生時に災害対策本部長となる市町村長が、適切な災害対応をとるための知識の取得を目的とした研修です。
 研修では、平成28年熊本地震の震源となった益城町の西村博則町長が、「熊本地震災害から学ぶもの」と題して、役場庁舎が被災し、行政機能が停止、災害対策本部を別の場所に移動せざるをえなかったことや、前震の後、仮避難所として開放を求められた町の総合体育館が本震で天井が崩れ落ち、一つの判断ミスが甚大な人的被害を招く可能性があったこと、また、熊本地震の教訓や反省を無駄にしないためにも、防災体制の強化に取り組み、厳しい訓練を実施しているとの報告が行われました。
 そして、防災総合センターの岩田孝仁センター長が、「減災から防災社会へ」というテーマで、防災対策のさまざまな課題を取り上げ、対策が進むことによって、想像力が下がり、結果として対応力が下がってきており、まれにしか遭遇しない災害をいかに具体的に自分自身でイメージできるかが防災対策の鍵となると指摘していました。
 寺田寅彦は「恐れすぎることはよくないが、恐れなさすぎることもよくない、正しく恐れることが欠かせない」というメッセージを残しています。

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